一般外科医りくの雑記帳

―私が後輩に伝えたいこと―

【メモ】女性版鼠経ヘルニア?Nuck管水腫とはなんぞや?

 

鼠経ヘルニアの手術って、大抵男性の場合が多いです。

まぁ、女性でもいなくはないのですが。

女性の場合、鼠経ヘルニアに似ている疾患でNuck(ヌック)管水腫というのがあります。

 

 

Nuck管水腫とは、胎生期に子宮円索の形成に伴って鼠径管内に入り込んだ腹膜鞘状突起(Nuck管)が生後も閉鎖されずに遺残し、内部に液が貯留した病態。女性の鼠径部〜外陰部の嚢胞性腫瘤として確認でき、男性の陰嚢水腫に相当する。

(引用:https://www.teramoto.or.jp/teramoto_hp/kousin/sinryou/gazoushindan/case/case92/index.html

 

 

男性でいう陰嚢水腫に相当するらしい。

 

男性には鼠経管内に精索(精巣動脈、精巣静脈、輸精管)が通ってる。

女性は鼠経管内に子宮円索が通ってる。

 

胎生期にこれらが形成される時に、一緒に引き込まれた腹膜を鞘状突起っていうんだけど、それが閉じずに開いた状態で水が溜まってしまってる状態。

 

男性だと陰嚢水腫に、女性だとNuck管水腫になるってことですかね。

 

 

穿刺吸引しても、大抵すぐに再発するらしい。

治療は手術。

水嚢胞を結んで取って切除。(前方アプローチ、高位結紮術)

腹腔鏡での手術もあるらしいけど、俺はやったことないなあ。