一般外科医りくの雑記帳

―私が後輩に伝えたいこと―

【初期研修医向け】糸結びと真皮埋没縫合(動画)

外科をローテートする時に、身に付けたい手技、

糸結び真皮埋没縫合です。

YouTubeとかで調べれば、もっとわかりやすい動画が沢山あるのですが💦

あくまで一例として、私がやっている方法を動画にしてみたので、よかったら参考にしてみてください。

両手結び

片手結び

真皮埋没縫合

 

結紮、縫合には他にも色々なやり方があります。

自分に合ったやり方を身に付けて、使えるようにしましょう!

最初は慣れないかと思いますが💦💦とにかく繰り返し練習あるのみです。

余裕が出てきたら、手袋を付けた状態で練習してみても良いと思います✋

【電子カルテの使い方】退院サマリーの書き方

今回は電子カルテ「e-カルテNewtons2」で退院サマリーの書き方について説明します。

どの病院でも医局事務などから「2週間以内に退院サマリーを作成してください!」って言われるんですよね💦

内容はそんなに細かく書かなくても良いと思うので、とにかく忘れない内に作成しちゃいましょう!

続きを読む

【初期研修医向け】ミスは大失敗?ではありません!

手術中に、頭の近くに無影灯があって、「清潔のライトハンドルに触らないように気を付けてね」って話をしていた5分後くらいに、頭が当たってしまってさっそく不潔にしてしまった初期研修医の先生がいました(笑)

「ごめんなさい、触っちゃいました…」と宣言してくれて、すぐに新しい清潔のライトハンドルに交換しました。

その研修医は、「大失敗しちゃいました…」としょんぼりしていたのですが。

 

本当の大失敗は、当たったことに気づかないor気づいても言い出せずに、それが原因で術後感染症を起こしてしまうことです。

 

今回はちゃんとミスしてしまった事を宣言してくれたおかげで、すぐに新しいものと交換したので、術野には影響なく済みました。

 

ミスは誰にだってあることで、そのミスに気づけたら、周りにすぐ相談して、適切な対応を取る。

これ、むしろ満点な対応だったと私は思います。

 

 

特に新人さんって、なるべく周りに迷惑をかけないようにしないと!って思って、ミスに気が付いてもなかなか言い出せない事ってありますよね。

高圧的な上司だとか、すぐ怒鳴るような先輩が近くにいると、なおさらです😔😔

 

ミスに気付いていながら、それを隠してしまうことはもちろん良くない事です。

けど、言い出しにくい環境を作り出してしまった、周りのスタッフにも改善点はあるのかなと私は思います。

 

誰か一人のミスが、病院全体のミスに発展しないようにするためにも

どんな些細なことでも、何かおかしいなと思ったら、すぐに発言してみる。

それができるような環境、雰囲気作りを心掛ける事が大事だと思います。

 

時々、ベテラン医師や、ベテラン看護師さんが、新人スタッフに対して

「余計な事しないで」

「そーゆーのはいいから」

「なにやってんだよ、もう」

「仕事増やさないで」

「ハァーー」

「ちゃんと勉強してきたの?」

など、叱責する言葉を耳にします。

 

教育のためには必要だという意見ももちろん一理あるし、この一言が新人さんの大きな成長につながる事があるのも事実だと思います。

けど一方で、これらの言葉は自分のミスを隠してしまう可能性を高める方向に行ってしまうのではないかと思います。

 

自分自身に心の余裕がないと、なかなか出来ないかもしれませんが💦

後輩から何かミスを告げられた時は、まずは

「正直に伝えてくれてありがとう」

なるべく余裕をもって言えるような医者を目指したいです(笑)

 

【初期研修医向け】採血できる?? 新人とベテランの違い

なかなか採血が取れなくて、ただただ時間だけが過ぎていく。

こんな経験ありませんか??

私も初期研修医の頃に沢山苦い経験をしてきました😔😔

昔と比べれば成功率は上がったものの、それでも後期研修医となった今でもうまく出来ないときも、もちろんあります。

新人とベテランの違いって何でしょうか?

(決して私がベテランという訳ではありませんが😅)

私が思うに、「どれだけ選択肢を持っているか」ではないでしょうか。

続きを読む

【初期研修医向け】まず身に着けると良いかもしれない?悪魔的テクニック!?

まだまだ下っ端の私ですが…

外科専門の後期研修が始まったばかりの医師3年目の先生と話す機会がありました。

 

「外科の後期研修医として、どうやって勉強しましたか?」

「勉強の仕方を教えてください」

 

うーーん……。

正直、今でもちゃんと勉強できていないから…😔😔

いいアドバイスは出来なくて…💦

とりあえず、上司のよく使う言葉を聞いて、覚えて、自分でも真似して使えるようにしてみるといいよって伝えました。

具体的にまず身に着けた方が良い事は、ずばり営業スマイル言い訳スキル(話術)です。

 

続きを読む

【メモ】超わかりやすく 血液型について

血液型について、簡単に教えてほしいって言われてまとめた文章。

 

O型の人:赤血球上に何もない、血漿中に抗A抗体,抗B抗体

A型の人:赤血球上にA抗原、血漿中に抗B抗体

B型の人:赤血球上にB抗原、血漿中に抗A抗体

AB型の人:赤血球上にA抗原とB抗原、血漿中に何もない

 

抗体と抗原が出会ってしまうとケンカしちゃう(不適合)

【Q&A】呼吸器外科や心臓血管外科など、科別の役割や仕事について知りたいです。

f:id:peankocher:20220219222916p:plain

医師という職業に興味のある高校生向けに講演を行った際に、質問をいただきました。

 

【質問】呼吸器外科や心臓血管外科など、科別の役割や仕事について知りたいです。

 

【回答】

なかなか大きな質問ですね(笑)
良いでしょう!(; ・`д・´)
求めている答えと違っていたらすみません。

続きを読む

【Q&A】救急専門医について知っていることがあれば教えていただきたいです。

f:id:peankocher:20220219222916p:plain

医師という職業に興味のある高校生向けに講演を行った際に、質問をいただきました。

 

【質問】救急専門医について知っていることがあれば教えていただきたいです。

 

【回答】

僕自身、大学生の頃に聞いた話なので、正確性に欠けるかもしれませんが…。
昔は救急の専門医というものはなく、多くの病院で来た患者さんの病状に応じて、それぞれの科の先生がその都度呼ばれて対応していました。
例えば頭を怪我した人が来たら、その日出勤している脳外科医が呼ばれ、腹痛の人が来たらその日出勤している消化器内科医が呼ばれ対応する、といった具合でしょうか。
そのため、呼吸器や整形などの専門を取得した上で、さらに救急も診ているという人がほとんどだったようです。


その後、救急現場におけるファーストタッチ及び早急な対応の重要性、専門性が見直され、さらに専門医制度によって救急科という分野の確立がされていったそうです。
そのため、始めから救急だけを専門としてやっているという医師は、私より5、6年上の世代あたりから増え始めたと聞いた事があります。


救急科専門の取得後に2段階目として取得可能なサブスペシャリティ領域には、集中治療や外傷、熱傷、中毒などの専門領域があるそうです。
救急科は、病院の規模や地域性によって体制がかなり異なるようなので、どの病院の救急で仕事をするかによって、得られる技術や知識、求められる範囲は大きく変わってきます。最初のファーストタッチのみ行い、病状が安定していればすぐに専門の他科へ流す病院もあれば、

小さな手術ならその場で救急科医で行ってしまう病院もあれば、人手が足りないため集中治療などその後の管理も主治医として持たなければならない病院もあれば、
主治医制ではないので、救急対応が終わっていれば定時で上がれる病院もあるのだとか。


同じ救急科でも、地域や病院によって様々あるようです。
大きな夢に向かって、充実した高校生活をお過ごしください。(*´ω`)

【Q&A】産婦人科は体力的にとても辛い科であると聞いたことがありますが、女性医師でもなることはできますか?

f:id:peankocher:20220219222916p:plain

医師という職業に興味のある高校生向けに講演を行った際に、質問をいただきました。

 

【質問】産婦人科は体力的にとても辛い科であると聞いたことがありますが、女性医師でもなることはできますか?

 

【回答】

産婦人科は大きく、産科領域と婦人科領域に分かれます。
産科は妊娠前から出産後の妊婦さんに関わる治療やケアが中心となり、婦人科は月経異常や子宮・卵巣癌、更年期障害などの女性特有の疾患を専門とする分野です。
一言に産婦人科と言っても、内科的な治療(内服治療やホルモン治療など)を専門にする人もいれば、外科的な治療(手術など)を専門する人もいるため、産婦人科は内科的な側面と外科的な側面を併せ持った科と言われています。


どの分野を目指して進むかによっても大きく変わると思いますし、所属する病院や医局の雰囲気によっても働きやすい環境かそうでないかが大きく異なってくると思います。
女性ですとどうしてもライフイベントに応じて、一定期間、職場から離れざるを得ない時期ができてしまう事もあるので、職場復帰に時間がかかってしまったり、専門医の取得に時間がかかってしまったりするかもしれません。
しかしながら、女性医師だからなれないという科では決してありません。
女性の医師に診てもらいたいと思う患者さんも数多くいますので需要はしっかりあります。
働きやすい環境か、そうでないかは、病院によって異なると思いますが、患者さんに求められるような医師を目指して無理のない範囲で頑張ってみてください!
応援しています(*´ω`)

【Q&A】これからの時代どのような医師・医療が必要とされるとお考えですか?

f:id:peankocher:20220219222916p:plain

医師という職業に興味のある高校生向けに講演を行った際に、質問をいただきました。

 

【質問】これからの時代どのような医師・医療が必要とされるとお考えですか?

 

【回答】

あくまで私個人の考えですが、病院における医師一人の力なんてたかが知れており、多くの人の協力があって初めて医療が成り立っていると思います。
看護師さんやソーシャルワーカーさん、理学療法士さん、薬剤師さん、管理栄養士さん、そしてもちろん同僚の医師など。
よりよい医療を提供するためには、多くの人との連携をうまく行う必要があります。
医療の訴訟問題なども時々ニュースになっており、仕事に不安を感じる事もありますが、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションがしっかり取れていれば、まず大きな問題になることはありません。
自分の考えやこだわりを持つことも大切ですが、他人の意見もないがしろにせずに、チーム医療を行えるような、そんな医師・医療環境が求められているのではないかと私は思います。
決して楽な道ではありませんが、大きな夢に向かって充実した高校生活をお過ごしください。( ˘ω˘ )