手術中に、頭の近くに無影灯があって、「清潔のライトハンドルに触らないように気を付けてね」って話をしていた5分後くらいに、頭が当たってしまってさっそく不潔にしてしまった初期研修医の先生がいました(笑)
「ごめんなさい、触っちゃいました…」と宣言してくれて、すぐに新しい清潔のライトハンドルに交換しました。
その研修医は、「大失敗しちゃいました…」としょんぼりしていたのですが。
本当の大失敗は、当たったことに気づかないor気づいても言い出せずに、それが原因で術後感染症を起こしてしまうことです。
今回はちゃんとミスしてしまった事を宣言してくれたおかげで、すぐに新しいものと交換したので、術野には影響なく済みました。
ミスは誰にだってあることで、そのミスに気づけたら、周りにすぐ相談して、適切な対応を取る。
これ、むしろ満点な対応だったと私は思います。
特に新人さんって、なるべく周りに迷惑をかけないようにしないと!って思って、ミスに気が付いてもなかなか言い出せない事ってありますよね。
高圧的な上司だとか、すぐ怒鳴るような先輩が近くにいると、なおさらです😔😔
ミスに気付いていながら、それを隠してしまうことはもちろん良くない事です。
けど、言い出しにくい環境を作り出してしまった、周りのスタッフにも改善点はあるのかなと私は思います。
誰か一人のミスが、病院全体のミスに発展しないようにするためにも
どんな些細なことでも、何かおかしいなと思ったら、すぐに発言してみる。
それができるような環境、雰囲気作りを心掛ける事が大事だと思います。
時々、ベテラン医師や、ベテラン看護師さんが、新人スタッフに対して
「余計な事しないで」
「そーゆーのはいいから」
「なにやってんだよ、もう」
「仕事増やさないで」
「ハァーー」
「ちゃんと勉強してきたの?」
など、叱責する言葉を耳にします。
教育のためには必要だという意見ももちろん一理あるし、この一言が新人さんの大きな成長につながる事があるのも事実だと思います。
けど一方で、これらの言葉は自分のミスを隠してしまう可能性を高める方向に行ってしまうのではないかと思います。
自分自身に心の余裕がないと、なかなか出来ないかもしれませんが💦
後輩から何かミスを告げられた時は、まずは
「正直に伝えてくれてありがとう」と
なるべく余裕をもって言えるような医者を目指したいです(笑)