【初期研修医向け】外科回診でできること
うちの外科は、毎朝8時から病棟回診をしています。
基本、手術創の確認なので、内科の回診と比べると速いかもしれません。
そんな短時間の中で、我々外科医は何をしているのか。
ローテートで回ってきた初期研修の先生は何をすれば良いのか!?←重要(笑)
ポイントをまとめてみました。
1.術前の患者さんの状態確認
術前の患者さんの体調に変わりがないのかチェックします。
☆初期研修の先生ができる事☆
声かけ
そんな、いきなり声かけとか言われても、何を話せばいいかわからん!!!💦
そもそも、何で入院してるのか知らんし!!!💦💦
と、いきなりパニックにならないために…
空いてる時間があったら、カルテを見ておいてください。
自分の担当患者さんは、もちろんですが
余裕があれば担当以外の患者さんのカルテも、です。
なぜなら回診では外科入院の患者さん、全員診て回るから。
大変かもしれないけど、大体でいいから!
- 何の病気か
- 術前なのか、術後なのか
- 今何が問題なのか
なんとなくでいいから、知って回るのと、知らないで回るの、全然違うから。
回診の時間が有意義な時間になるから。
頑張ろう!
そのうえで、何を話せばいいのか。
よく使う無難なフレーズを伝授しましょう(笑)
- 「体調は変わりありませんか?」
- 「昨晩はよく眠れましたか?」
- 「お腹の調子はどうですか?」
- 「痛みの具合はどうですか?」
私が普段愛用している、無難フレーズ集です。
困ったらまずはオープンクエスチョンで攻めてみましょう。
身体診察
基本は視診→聴診→打診→触診の順番で診察します。
腹部に過去の手術創があるかどうかを確認したり(手術歴ある人は、腹腔内が癒着している可能性があります。その場合手術が大変になります…)。
疼痛があるか、圧痛があるか、反跳痛があるか、筋性防御があるかを診たり。
鼠経ヘルニアの患者さんなら、実際に立位になって、左右どちらからどれだけ脱出しているのか確認したり。
身体診察をする際は、必ず声掛けをしながら丁寧に行ってください。
2.術後創部の確認
術後の患者さんだったら、創部の確認をします。
痛みの具合はどうか。
麻酔後の影響で吐き気とかは残ってないか。
創部離開していないか。
感染が起こっていないか。(皮膚の発赤とか熱感とか)
排便、排ガスはあったか。(腸が動いているか)
特に糖尿病患者やステロイド使用者は要注意!
創部離開して、せき込む度に傷口から腸や便が漏れ出るとか、悲惨です。
☆初期研修の先生ができる事☆
腹帯や衣類を取る手伝い
何度か回診を回っていれば、この患者さんは大体この処置をするって流れが分かってくると思います。
肛門の手術後だったらズボン下ろすの手伝うとか。
開腹手術後だったら腹帯を外すとか。
当たり前ですが、ちゃんと声をかけてから行わないと、患者さんびっくりしちゃいますからね。
ガーゼ交換(の準備)
創部からの浸出液が多い人はガーゼ交換をします。
この時、清潔創だったら鑷子(せっし)を用いて滅菌ガーゼを、感染創だったら未滅菌ガーゼを使用します。
術後に予防的にドレーンを入れていて、漿液性排液しかなければ清潔創ですし
排膿があるドレーンだったら、感染創です。
意識して見てみないと、わからないかもしれません(;・∀・)
よくわからなかったら、主治医の先生に聞いてみましょう♪
ガーゼ固定用テープの準備
外科はスピード勝負なので、あたふたしてると他の先生や看護師さんがテキパキと仕事を進めてしまい、自分は出遅れてやることがなくなってしまう…
なんてこと、よくあります。
そんなときは、せめてガーゼを固定するテープだけでも用意してみましょう💦」
最初のうちは、これくらいしか…
むしろこれすらも、看護師さんに先を越されてしまい、回診中は後ろの方で付いて回ってるだけになってしまう、なんてこともあります。
でも、あきらめないで!
せめて自分の担当患者さんの回診の時くらいは積極的に前にでて、進んで声をかけてあげてください。
その方が患者さんも嬉しいだろうし、外科ローテートで学べる事も増えると思います。
さあ、とにかく前に出て、手を動かして、行動しましょう!!