【初期研修医向け】新患入院時にやること
救急外来とか、当直中とか、クリニック外来とかで
「この人、入院だな」ってなったとき。
病棟のベッドの空き状況を確認して、入院予約を出して、入院診療計画書を作成して…
めんどくさいけど、色々やらないといけないことがあります(;´Д`)
具体的にどんなことをするのか、まとめてみました。
1.病棟の確認
病棟のベッド状況を確認します。
そもそも空きベッドが無かったら患者さんを入院させられません。
緊急入院の場合、たいてい救急病棟(ER病棟)に入院となりますが、担当の科が明らかである場合は、直接各科の病棟へ入院となることもあります。
2.病状説明
患者さんや、そのご家族に病状説明を行い、入院が必要である旨を伝えます。
入院の同意を得られなければ、我々医者は患者さんを入院させることはできません。
3.入院予約
入院予約の指示を入れます。
入院時間、入院病棟、担当医師、入院理由、等々…
色々記載が必要なんです。
めんどくさいです。
4.食事の指示
入院後の食事を決めます。
糖尿病の人だったら糖尿病食。
腸閉塞の人だったら絶飲食。
痩せた高齢者なら、体格大きい若者よりカロリー少な目でオーダーしたり。
こんな事も医者がいちいち考えなきゃいけないのかよ!!
考えなきゃいけないのです…。
5.リハビリのオーダー
特にご高齢の方だと、入院を契機に寝たきりになってしまうことが多々あります。
1週間安静にした時に落ちた体力を回復させるのには1カ月かかるとも言われます。
入院して病気は治ったけど、体力が落ちて寝たきりになりました、では困ってしまいます。
そこで、リハビリが必要な患者さんには、リハビリのオーダーを出します。
医師が依頼をかけないとリハビリ介入がされないので、必要な人には忘れずにオーダーを入れます。
6.点滴の指示
脱水傾向の人には多めに水分負荷をしたり。
心不全の人にはあまり負荷をかけないようにしたり。
感染症を疑ってる人には抗菌薬の投与をしたり。
発熱や疼痛の訴えがある人は解熱鎮痛薬を投与したり。
どの種類の輸液を?
何時から?
どれくらいの速度で?
1日何回?
必要に応じて指示を入れて、治療を開始します。
7.持参薬の確認・処方
うちの病院は、薬剤師さんが持参薬を調べてくれます。
それを確認して、必要なら処方、不要なら中止、足りないなら追加で処方します。
8.異常時指示
異常時に備えて、指示を入れておきます。
痛いときはこの点滴を使ってください。
吐き気がある時はこの薬を使ってください、という感じの指示。
この指示を入れておかないと、何かある度に連絡がきます。
まぁ、それで一つ一つ判断してから、その都度指示を出してもいいのですが……大変だと思います。
9.入院診療計画書の作成
入院期間の目安とか。
病名とか。
予想される検査内容とか。
食事形態とか。
安静度とか。
色々記載しないといけない書類があるんです。
これ書くの忘れてると、病棟看護師さんから「早く書いてください!」って怒られます。
具体的な作成方法については下記の記事を参照ください。
まとめ
患者さんを入院させる時にやらなきゃいけない事って結構あります。
ぱっと思いつくのは、大体これくらい。
1.病棟の確認
2.病状説明
3.入院予約
4.食事の指示
5.リハビリのオーダー
6.点滴の指示
7.持参薬の確認・処方
8.異常時指示
9.入院診療計画書の作成
外科医なら、手術室で手術だけしてればいいと思ってた?(ワタシハチョトオモッテタヨ)
Non,Non,Non!!
病棟業務もちゃんとあります!
忘れずにやりましょう( ;∀;)